地主の許可はいつ必要?「地上権」と「賃借権」の具体的なルールと注意点-借地権の売却解説③-

「地主さんの承諾をもらうタイミングはいつがベスト?」「もし拒否されたらどうなるの?」

前回の記事では、借地権に「地上権」と「賃借権」という2つの種類があることをお伝えしました。連載第3回となる今回は、これら2つの権利について、売却実務に関わる具体的な特徴や注意点をさらに深掘りして解説します。

売却の手続きをスムーズに進めるためにも、それぞれの権利が持つ法的な性質をしっかりと押さえておきましょう。

■ 地上権(ちじょうけん)の特徴:地主の承諾が不要なケース
地上権は、民法で「物権(ぶっけん)」として規定されている非常に強い権利です。最大の特徴は、地主さんの承諾を得ることなく、こちらの意思だけで第三者へ売却できる点にあります。権利そのものを自由に処分することが法律で認められているためです。

主な特徴やメリットは以下の通りです。

  • 単独で登記ができる:登記をすることで、第三者に対して自分の権利をしっかりと主張できます。
  • 自由に売却・譲渡ができる:地主さんの許可をもらう必要がありません。
  • 手続きがシンプル:売却時のステップが比較的簡素化されます。
  • 地主との交渉が最小限:トラブルや長引く話し合いを減らすことができます。

このように売却の自由度が高く、手続きもスムーズに進みやすいのが地上権の強みです。ただし、一般的に権利金が高額であったり、毎月の地代が賃借権より高めに設定されていたりすることが多いため、実際の売却価格を決める際には慎重なリサーチが必要です。

■ 賃借権(ちんしゃくけん)の特徴:地主の承諾が必要なケース
一方で、賃借権は、民法上で「債権(さいけん)」に位置づけられる権利です。これは地主さんとの契約関係に基づくものであるため、第三者へ売却する際には必ず地主さんの承諾を得る必要があります。

賃借権を売却する上で、絶対に知っておくべき重要事項は以下の通りです。

  • 承諾をもらう時期:トラブルを防ぐため、買い手と正式に売買契約を結ぶ「前」に承諾を得るのが望ましいです。
  • 承諾の形:後々の言った・言わないのトラブルを避けるため、必ず「書面(譲渡承諾書)」でもらう必要があります。
  • 条件がつく可能性:承諾を出す代わりに、地主さんから新たな条件(地代の値上げなど)を提示されることがあります。
  • 拒否の理由:地主さんが売却を拒む場合、基本的には正当な理由が必要となります。
  • 費用の負担:承諾してもらう代わりに支払う費用(承諾料など)については、事前の協議が必要です。

実務においては、地主さんの意向や感情を慎重に確認しながら進めることが成功の鍵となります。また、万が一地主さんから承諾を拒否されてしまった場合の対策も、事前に考えておくことが重要です。

当協会から宗教者様へのアドバイス 
寺社や教会の借地契約は、地主さんとの歴史的なお付き合いもあり、感情的な問題に発展しやすい傾向があります。特に「賃借権」の場合は、切り出すタイミングや書面の交わし方一つで、その後の交渉が難航してしまうことも少なくありません。

「地主さんにどう切り出せばいいか分からない」「書面の手続きが不安」という宗教者様は、一人で悩まずにぜひ当協会へご相談ください。

不動産実務に精通した専門家チームが、地主さんとの良好な関係を保ちつつ、法人の大切な財産を守るためのベストな進め方をご提案いたします。まずは公式LINEからお気軽にお声がけください。(相談無料)

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