

「宗教法人に不動産を寄進したい。自分自身の信仰として。」
そのような尊い思いをお持ちの檀信徒様がいらっしゃる一方で、宗教法人側の立場ではこのような悩みも聞かれます。
「土地や建物を寄付したいと信者様からありがたいお言葉をいただいた。一方で宗教法人の財産として受け取るのは良いが、税金の問題はないのだろうか?」
こうした局面では、税務上のルールを正しく理解しておくことが極めて重要です。
「宗教法人であれば不動産を受け取っても課税されないだろう」と安易に寄付を受けてしまうと、寄付をされた信者様に後から思わぬ税金がかかってしまう恐れがあるからです。
今回は、個人が宗教法人へ不動産等を寄付する場合に焦点を当て、その税務上の仕組みを整理します。
■寄付者が課税される? 所得税法第59条の規定■
まず、根拠となる「所得税法」の規定を確認してみましょう。
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所得税法 第59条(抜粋)
譲渡所得の基因となる資産の移転があつた場合には、その者の譲渡所得の金額の計算については、その事由が生じた時に、その時における価額に相当する金額により、これらの資産の譲渡があつたものとみなす。
(中略)
贈与(法人に対するものに限る。)遺贈(法人に対するものに限る。)
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この規定を理解するために、まずは「譲渡所得」と「譲渡所得の対象となる資産」について紐解いていきます。
①そもそも「譲渡所得」とは?
譲渡所得とは、資産を他人に譲り渡したことによって発生する所得を指します。
② 「譲渡所得の対象となる資産」には何が含まれる?
譲渡所得の対象となる資産には、主に以下のようなものが含まれます。
・土地、建物、借地権
・株式等
・金地金、宝石、書画、骨董品
・船舶、機械器具
・漁業権、特許権、著作権、鉱業権
・取引慣行のある借家権、ゴルフ会員権
・土石や砂 など
※ちなみに貸付金や売掛金といった「金銭債権」は対象外となります。
参考元:国税庁タックスアンサー「譲渡所得の対象となる資産」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3105.htm
■次回のテーマについて■
今回の記事では、不動産の寄付にかかわる基本的な税務の入り口部分を解説しました。
しかし、なぜ個人から法人へ寄付をすると、受け取った法人ではなく「寄付をした本人」に所得税(譲渡所得税)がかかってしまうのでしょうか? また、具体的にどのような計算がなされるのか、それを回避する特例はあるのか――。
この点については、次回以降 詳しく深掘りしていきます。
★寄付や不動産に関わる税務は非常に複雑です。ご自身だけで判断せず、まずは専門家へご相談ください。貴法人や信者様にとって最適な選択ができるよう、私たちがしっかりサポートいたします。
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