相場は?借地権売却で知っておきたい「印紙税」と「譲渡承諾料」の基本ルール-借地権の売却解説⑧-

「借地権の契約を交わすとき、印紙代はいくらかかるの?」「地主さんへの挨拶代(承諾料)ってどれくらいが相場なんだろう……」

前回の記事では、売却タイミングで大きな差が出る「譲渡所得税」の仕組みについて解説しました。

連載第8回となる今回は、売却時の実務で必ず発生する「印紙税」と、地主さんとの話し合いにおいて最重要となる「譲渡承諾料(じょうとしょうだくりょう)」について詳しく見ていきましょう。

事前におおよその金額を把握しておくことで、売却プランをより現実的に組み立てられるようになります。

■ 契約書に貼る「印紙税」の仕組みと軽減措置
借地権の売買契約書を正式に作成する際には、「印紙税」という税金がかかります。これは、契約書に記載される売却金額に応じて法律で定められており、所定の「収入印紙」を契約書に貼り付けて消印することで納税したとみなされます。

現在、不動産の売買契約書(契約金額が10万円を超えるもの)には特例が適用されており、2027年3月31日までの作成分については税率が低くなる「軽減措置」が受けられます(※)。

主な売却金額ごとの印紙税額は以下の通りです。

●契約金額:本来の印紙税額:軽減後の印紙税額(2027年3月31日まで)
・1万円未満:非課税:非課税
・1万円以上 〜 10万円以下:200円:200円
・10万円超 〜 50万円以下:400円:200円
・50万円超 〜 100万円以下:1,000円:500円
・100万円超 〜 500万円以下:2,000円:1,000円
・500万円超 〜 1,000万円以下:1万円:5,000円
・1,000万円超 〜 5,000万円以下:2万円:1万円
・5,000万円超 〜 1億円以下:6万円:3万円
・1億円超 〜 5億円以下:10万円:6万円

参考:「印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで」(国税庁)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7140.htm

(※):国税庁「不動産売買契約書の印紙税の軽減措置」
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/inshi/08/10.htm

■ 交渉の鍵を握る「譲渡承諾料」とは?
借地権を第三者に売却する場合、原則として土地の所有者である地主さんの承諾が必要になります。このとき、承諾を得る対価として地主さんへ支払うお金を「譲渡承諾料(または名義書換料)」と呼びます。

●金額の目安:一般的には「借地権価格の10%程度」が相場とされています。
●法律上のルール:実は、譲渡承諾料の支払い義務や具体的な金額について、法律上の明確な規定はありません。

あくまで、地主さんとの事前の話し合い(協議)によって合意に達した金額を支払うという、不動産取引における「慣例(昔からの習わし)」として成り立っているものです。

そのため、最初の借地契約書(土地賃貸借契約書)の条項に「譲渡する際は承諾料を支払うものとする」といった特約があらかじめ記載されているケースが非常に多いため、売却へ向けて動き出す前に一度お手元の契約書の内容を確認しておくことが重要です。

当協会から宗教者様へのアドバイス
印紙税は国が定めた一律の基準ですが、もう一方の「譲渡承諾料」は法律の決まりがないぶん、地主さんとの交渉次第で金額や条件が大きく揺れ動く性質を持っています。

特に教会や寺院が建っている土地の場合、地主さんとの過去の経緯や関係性、現在の土地の利用状況などによって、「相場の10%」を基準に話がすんなり進むとは限りません。下手に相場だけを盾に交渉を切り出してしまうと、地主さんの気分を害してしまい、売却の承諾そのものを拒否されてしまうトラブルも発生しています。

「地主さんに支払う承諾料、うちの場合はいくらくらいが妥当?」「関係を壊さずに売却の相談を切り出すにはどうすればいい?」

そんな不安をお持ちの宗教者様は、どうぞご自身だけで悩まずに当協会へご相談ください。地主さんとの円満な合意形成に向けて、これまでの豊富な実務経験をもとに専門スタッフが親身にサポートさせていただきます。(相談無料)

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