相続時口座照会制度の仕組みと注意点-残高は分かる?【相続時口座照会その2】

「亡くなった親の預金口座を一括で探せる便利な制度が始まったと聞いたけれど、具体的にどんな情報が分かるの?」「これを使えば、銀行ごとの残高まで全部一覧で教えてもらえるの?」

前回の【その1】では、ネット銀行や通帳レス口座の普及に伴い、故人の口座調査が難しくなっている現状と、調査を放置することのリスク(遺産分割協議のやり直し等)について解説しました。

連載第2回となる今回は、2025年4月以降本格的に運用がスタートした「相続時口座照会制度」の具体的な仕組みについて掘り下げます。

まずは、制度の概要と、最も勘違いされやすい「この照会で何が分かるのか」という点から整理していきましょう。

■ 制度の概要と「預金保険機構」の役割
これまで、亡くなった方の口座を調べるには、候補となる金融機関(メガバンク、地銀、ゆうちょ銀行など)で個別に照会手続きを行う必要がありました。照会先が増えるほど、相続人の手間も時間も費用も膨らむ一方だったのです。

この重い負担を軽減するために整備されたのが、公的機関である「預金保険機構」を窓口として活用する仕組みです。預金保険機構を介することで、全国の金融機関における口座の有無を横断的に一括照会できるようになりました。

■ 【重要】照会で「分かること」と「分からないこと」
この制度を利用するにあたり、最も注意したいのが「通知される内容」です。

分かること:原則として「どの金融機関の、どの支店に口座が存在するか(口座の有無・所在地)」
●分からないこと:口座にいくらお金が残っているか(預金残高)や、過去の入出金履歴

つまり、この制度で把握できるのは「口座の場所」までです。

具体的な残高を確認したり、その他手続きを行ったりするためには、通知結果をもとに判明した各金融機関へ個別に連絡し、残高証明書の発行請求などの手続きを行う必要がある点に注意しましょう。

■次回のテーマについて
次回「【相続時口座照会その3】利用条件の落とし穴と手数料・必要書類」では、この制度を利用するうえで最も重要な「個人番号(マイナンバー)紐付け口座の注意点」や、気になる申請手数料について詳しく解説していきます。

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