

前回の【その5】では、手続きを行える申請者の条件や、単独申請・包括受遺者の申請ルールについて解説いたしました。
連載第6回となる今回は、申込み時に用意すべき「必要書類のチェックリスト」と、書類不備による申請の空振りを防ぐための「記載時の重要ポイント」、そして今後の相続手続き全体をスムーズにする「法定相続情報一覧図の活用法」をご紹介します。
■ 1. これで迷わない!必要な提出書類の3ステップ整理
申請時の不備によって受付が止まってしまうのを防ぐため、必要書類は以下の3つのグループに分けて準備するとスムーズです。
※申込みに必要な「申込書」および「個人情報の第三者提供に係る同意書」は、手続きを行う金融機関に所定の様式が用意されています。
●【グループ①】被相続人が亡くなったことを確認する書類(いずれか1点)
・住民票の除票の写し
・戸籍の附票の除票の写し
・認証文付きの法定相続情報一覧図の写し
●【グループ②】相続人と被相続人の身分関係を確認する書類
・被相続人の戸籍謄本(または抄本)
・または、認証文付きの法定相続情報一覧図の写し
●【グループ③】申込者本人の本人確認書類
・顔写真付き公的書類(1点):マイナンバーカード、運転免許証など
・顔写真なし公的書類(2点):健康保険の資格確認書・資格証明書など
■ 2. 失敗は厳禁!申込書への「住所・氏名」転記の落とし穴
「被相続人のマイナンバーを自分で調べて提出する必要があるのでは?」と思われるかもしれませんが、申込み時に亡くなった方のマイナンバーを提示する必要はありません。 預金保険機構が住民基本台帳ネットワークを通じて直接取得します。
しかし、機構側で他人の番号を誤取得しないよう極めて厳格な一致確認が行われます。そのため、申込書へ被相続人の情報を記入する際は、必ず「戸籍の附票の除票の写し」の記載通り(漢字や住所表記の細部まで)正確に転記してください。
●マイナンバーが取得できなくなる主な原因
・戸籍の附票の除票の写しと住民基本台帳の住所表記が微妙に異なる場合
・近隣に同姓同名・同一生年月日の方が住んでいる場合
預金保険機構からも「正確に記入されていても、条件によってマイナンバーを取得できないケースがある」と案内されています。マイナンバーが取得できないと照会は空振りに終わり、手数料も返金されないため、手元の戸籍の附票の除票の写しをしっかりと確認しながら正確に記入しましょう。
■ 3. 手続きを劇的にラクにする「法定相続情報一覧図」の活用
相続手続きの初期段階で、法務局が発行する「法定相続情報一覧図の写し」を取得しておくことを強くおすすめします。
本制度の申込み時に活用できるだけでなく、大量の戸籍謄本一式(戸籍の束)を持ち歩く必要がなくなります。その後の銀行での口座解約、不動産の相続登記、証券口座の名義変更など、あらゆる相続手続きで共通して使えるため、手続きにかかる時間と手間を大幅に削減できます。
■ これまでの連載まとめ
・【その1】 ネット銀行時代の口座見落としリスクと放置の危険性
・【その2】 照会で分かるのは「口座の有無」までで、残高確認は各行対応が必要なこと
・【その3】 マイナンバー紐付け口座に限られるため過信は禁物なこと
・【その4】 返金不可リスクへの対策、口座凍結への注意点と2026年改正ポイント
・【その5】 単独申請のルールと包括受遺者が申し込む際の要件
・【その6】 必要書類の整理と記載ミス防止策、法定相続情報一覧図の利便性
必要書類をしっかりと整え、ミスや二度手間を防ぎながらスムーズな財産調査を進めましょう。
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