

前回の【その3】では、制度の基本的な手数料や「マイナンバー連携口座」に限られる点について解説いたしました。
連載第4回となる今回は、実際に申し込む前に必ず知っておくべき「返金不可のリスクと対策」「口座凍結による生活への影響」、そして「2026年10月予定の最新改正ポイント」について詳しくご紹介します。
■ 1. 「該当なし」でも返金されない?失敗しないための申請時のコツ
本制度の手数料は1回につき5,060円(税込)ですが、一度申込みが成立すると、照会結果が「該当口座なし」であった場合や、記載不備があった場合でも手数料は返金されません。
申請の空振りを防ぐためにも、以下の点に注意が必要です。
●住民票の除票通りに正確に記載する
氏名の漢字や住所の表記など、手元の証明書と完全に一致するよう正確に記入してください。
●申込みから結果通知までは約1ヶ月
預金保険機構から委託を受けた金融機関の窓口や郵送で受け付けています。委託先であれば、申込者や被相続人が取引口座を持っていない金融機関からでも手続き可能です。
■ 2. 申込み前に必須!公共料金などの「引き落とし口座」変更
本制度を申し込むと、照会先の金融機関へ「口座名義人が亡くなった」という事実が伝わります。
これにより、金融機関によっては即座に口座が凍結(取引停止)されるケースがあります。
公共料金、通信費、施設利用料などの引き落とし口座に指定されている場合、先に支払い方法の変更手続きを進めておかないと、急な引き落とし不能によるトラブルが発生する可能性があります。申込み前の事前確認をおすすめします。
■ 3. 【2026年10月1日予定】規定改正で何が変わる?
預金保険機構は、2026年10月1日付で利用規定の改正(予定)を公表しています。実務に影響する主なポイントは以下の2点です。
●マイナンバー未確認時の再確認と「返金」の道が開ける
機構側で被相続人のマイナンバーが確認できず通知が出せない場合、再確認が行われます。これを希望しない場合は合意解除となり、手数料が返還される仕組みが導入されます(※振込手数料等の自己負担が発生する場合があります)。
●結果通知が「転送不要の簡易書留」に明文化
結果通知は登録住所へ「転送不要」で届くため、申込み後に引っ越しを行うと受け取れず、最初から手続きやり直しになってしまいます。
現行では確認不可の場合も手数料は戻りませんが、改正後は一部返金の可能性が生まれます。(該当口座なしのうち、マイナンバーの確認ができなかったケースに限る)
ただし、相続税申告や相続登記には期限があるため、改正を待つより「今すぐ正確な書類を揃えて申し込むこと」を最優先にしましょう。
■ これまでの連載まとめ
・【その1】 ネット銀行時代の口座見落としリスクと放置の危険性
・【その2】 照会で分かるのは「口座の有無」までで、残高確認は各行対応が必要なこと
・【その3】 マイナンバー紐付け口座に限られるため過信は禁物なこと
・【その4】 返金不可リスクへの対策、口座凍結への注意点と2026年改正ポイント
新制度の注意点と最新情報を把握し、計画的に手続きを進めていきましょう。
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