「該当口座なし」結果通知の真実【相続時口座照会その7】

前回の【その6】では、申請に必要な提出書類の整理と、書類不備による空振りを防ぐ転記のコツ、手続きをスムーズにする「法定相続情報一覧図」の活用法について解説いたしました。

連載第7回となる今回は、結果通知書が届いた際の「通知の見方と受け取りの注意点」、そして多くの方がショックを受ける「『該当口座なし』の本当の意味」について詳しく解説します。

■ 1. 結果通知書の受け取りと「記載内容」の注意点
照会手続きからしばらく後、申込書に記入した国内の通知先宛てに照会結果が届きます。

●受取時の注意点(転送不可)
結果通知は「転送不要の簡易書留(圧着ハガキ)」で届きます。引っ越し等で転送届を出していても転送されず、受け取れなかった場合は申込み自体がやり直しになってしまうため注意が必要です。なお、通知内容(確認された口座数)が多い場合は、ハガキが2通以上に分かれて届くこともあります。

■ 2. 「該当口座なし」=「口座が存在しない」ではない!
通知書に「該当口座なし」と書かれていると、「なーんだ、この銀行には口座がなかったんだ」と諦めてしまいがちです。しかし、預金保険機構の利用規定上、「該当口座なし」には以下のパターンがすべて含まれています。

●「該当口座なし」に含まれる3つの理由
①照会先の金融機関に、本当に該当する口座が存在しない場合
②口座は存在するが、マイナンバーの紐付け(付番)が完了していない場合
③照会を行った期間内に、金融機関からの回答が間に合わなかった場合

さらに、金融機関の管理状況によっては「代表口座のみ」が回答され、同じ銀行に別の口座があっても通知されないケースがあります。

また、被相続人の住所表記の微妙なズレ等でマイナンバー自体が取得できなかった場合は、その旨を記した通知が普通郵便で届きます。

「該当口座なし」という通知は、口座が100%存在しないことを証明するものではありません。 「マイナンバー未紐付けの口座が眠っているかもしれない」という前提で、通帳や郵便物などの手がかり調査を並行して行うことが実務上とても重要です。

■ 3. 結果通知が届いた後にやるべき「個別手続き」
照会結果によって口座の所在が判明したら、それで手続きが完了するわけではありません。

この制度で確認できるのは「どの金融機関に口座があるか(所在)」までです。次のステップとして、記載された金融機関ごとに個別手続きを進めましょう。

■ これまでの連載まとめ
・【その1】 ネット銀行時代の口座見落としリスクと放置の危険性
・【その2】 照会で分かるのは「口座の有無」までで、残高確認は各行対応が必要なこと
・【その3】 マイナンバー紐付け口座に限られるため過信は禁物なこと
・【その4】 返金不可リスクへの対策、口座凍結への注意点と2026年改正ポイント
・【その5】 単独申請のルールと包括受遺者が申し込む際の要件
・【その6】 必要書類の整理と記載ミス防止策、法定相続情報一覧図の利便性
・【その7】 「該当口座なし」の本当の意味

制度の特性や限界を正しく理解し、もれのない相続財産調査を進めていきましょう。

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