宗教法人の基礎知識ガイド⑩-利害関係人からの書類閲覧請求と対応ルール-

前回の「⑨-事務所への書類備え付けと所轄庁への提出義務-」では、宗教法人が事務所に常備すべき書類や、年に一度の所轄庁への提出義務について解説いたしました。

今回はその続編として、事務所に備え付けた書類を「信者・檀信徒その他の利害関係人から閲覧請求された際のルール」について詳しく解説いたします。

■ 宗教法人法第25条に基づく閲覧請求の基本 ■
宗教法人法第25条第3項の規定により、事務所に備え付けられた各種書類や帳簿は、特定の要件を満たした利害関係人から請求があった場合、閲覧させなければならないと定められています。

ただし、誰でも自由に閲覧できるわけではありません。閲覧を認めるには、以下の2つの重要条件を満たしている必要があります。

1、閲覧することについて「正当な利益」があること
2、閲覧の請求が「不当な目的」によるものでないと認められること

不当な目的による請求や、関係のない第三者からの無条件な開示要請に応じる必要はありませんが、正当な理由がある請求を正当な理由なく拒否することはできません。

■ 「正当な利益がある利害関係人」の具体例■
具体的にどのような人物が「閲覧について正当な利益を持つ利害関係人」に該当するのでしょうか。一般的には、該当の宗教法人と継続的な関係性を有している者が対象と考えられています。

【該当すると考えられる者の例】
●信者・檀信徒など
●債権者・保証人 
●包括関係・被包括関係にある宗教団体 
※上記はあくまで例示であり、個別の事案ごとに判断する必要があります。

■ 閲覧請求への対応は「自主的な判断」が求められます■
実際に対応を行う際は、一律に可否を決めるのではなく、「請求者に正当な利益があるか」「不当な目的(乱用や不当な干渉など)ではないか」を、法人側で個別具体的に判断することとなります。

「会計書類の閲覧を求められたが対応に迷っている」「不当な目的と思われる開示請求を受けて困っている」など、実際の判断にお悩みの際は、法的リスクを避けるためにも早めに専門家へご相談いただくことをおすすめします。

実務上のご不安や疑問がございましたら、どうぞお気軽に当協会にご相談ください。

★注意:本サイトでは、執筆段階での内容をお伝えしております。今後変更される可能性がありますので参考にご覧ください。

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