

「相続時口座照会制度を使えば、亡くなった親の銀行口座が全部自動で見つかるの?」「申請にはいくらかかるの?株や証券も一緒に調べられる?」
前回の【その2】では、制度の概要と「分かるのは口座の場所(金融機関・支店)までで、残高までは通知されない」という重要ポイントを解説しました。
連載第3回となる今回は、制度の利用を検討するにあたって最も気をつけるべき「利用条件(個人番号登録)の落とし穴」と、気になる「手数料や手続きの制限」について詳しく紐解きます。
■ 実務上の最重要注意点!「個人番号(マイナンバー)連携口座」しか探せない?
この制度を活用するうえで、絶対に知っておかなければならない最大の注意点。それは、照会対象となるのが「被相続人が生前に個人番号(マイナンバー)との紐付け手続きを完了していた口座」に限定される点です。
制度の導入から間もない現在、特に高齢で亡くなられた方のケースでは、所有しているすべての口座をマイナンバーに紐付けていた方はまだ少数派といえます。
そのため、実務では次のような事態が十分に起こり得ます。
●「制度を使って照会したのに『該当なし』と返ってきた」
●「しかし実際には、マイナンバー未連携の預金口座が別に存在していた」
「照会結果で該当がなかったから安心」と鵜呑みにするのは危険です。本制度はあくまで「従来の口座調査を補完する補助的な手段」として位置づけ、紙の通帳や届く郵便物など、手元の手がかりを探す従来通りの調査も必ず並行して行うことが大切です。
■ 手数料・対象範囲・照会期間の目安
実際に手続きを進める際の費用感や条件は、概ね以下のようになっています。
1、申請手数料
●金額:1回の申請につき 5,060円(税込)
●支払方法:手続きを行う金融機関でお支払いいただきます。
2、 照会できる期間や対象範囲
●照会期間:被相続人が亡くなられてから10年以内など、対象期間に制限が設けられています。
●対象外の金融機関:デジタル庁が指定する特定の金融機関など、一部の金融機関は照会対象に含まれない場合があります。最新の対象機関については、手続き前に公式情報をご確認ください。
■ (参考)株式や投資信託も一緒に探せる?「ほふり」の費用
「銀行の預金だけでなく、株式や投資信託の口座もまとめて調べたい」という方も多いかと思います。
株式等の保有状況を調査する場合は、預金保険機構の制度とは別に「証券保管振替機構(通称:ほふり)」への開示請求手続きを利用します。
●開示調査手数料:1件あたり 6,050円(税込)
●優遇料金:法務局が発行する「法定相続情報一覧図」の写しを提出して申請する場合は、1件あたり 4,950円(税込)に割引されます。
預金の照会手続きと合わせて、必要に応じてこうした証券調査制度の併用も検討してみましょう。
■ここまでのまとめ
・【その1】 ネット銀行時代の口座見落としリスクと放置の危険性
・【その2】 照会で分かるのは「口座の有無」までで、残高確認は各行対応が必要なこと
・【その3】 個人番号(マイナンバー)紐付け口座に限られるため過信は禁物なこと
新制度を賢く使いこなしつつ、漏れのない財産調査を進めていきましょう。
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