宗教法人への遺贈と相続税への影響!節税目的は危険?【宗教法人への遺贈と税金その2】

前回の記事では、宗教法人へ財産を遺贈した場合の基本的な税金のルールについて解説いたしました。

原則として、宗教法人は相続税の対象外となりますが、実は「どんな場合でも非課税になるわけではない」という重要な注意点があります。

今回は、前回に続いて改めて「相続税逃れの遺贈に対するルール」の重要ポイント解説と、「宗教法人へ遺贈した際、残された相続人の相続税にどのような影響が出るのか」について詳しく解説します。

■ 1. 相続税逃れの遺贈は「個人」とみなされて課税される
宗教法人が相続財産を取得した場合、基本的に相続税は課税されません。 しかし、「相続税の負担を著しく軽減する目的」で宗教法人へ遺贈が行われた場合には、例外的な法律が適用されます。

●「みなし個人課税」のルール
税務署から「実質的な相続税逃れ」と判断された場合、宗教法人を「個人」とみなして相続税が課税されます。この場合、通常の相続人と同じように相続税を計算し、宗教法人が税金を納めることになります。

★どんな場合に注意が必要?
宗教法人が「個人」とみなされるのは、主に被相続人(亡くなった方)やその親族が宗教法人を経営している場合などに限られます。 一般的な檀信徒様からの純粋な寄付(遺贈)であれば個人とみなされることは基本的にありませんのでご安心ください。

■ 2. 宗教法人に遺贈すると「他の相続人」の相続税はどう変わる?
宗教法人に財産を遺贈すると、残された家族(他の相続人)が納める相続税の金額にも大きな影響を与えます。

● 相続税の仕組みと遺贈による変化
・本来の相続税:個人が取得した相続財産の「合計金額」に対して課税されます。 
・宗教法人へ遺贈した場合:宗教法人が取得した財産は課税対象から除外されるため、全体の課税対象金額(総遺産価格)が減少します。 

日本の相続税は「財産が多いほど税率が高くなる」仕組みになっています。 そのため、宗教法人に遺贈することで全体の課税対象額が減ると、適用される税率自体が下がり、結果として相続人が納める相続税額も大きく減るケースがあります。

■ 3. 【事例で比較】遺贈の有無で相続税はどう変わる?
※相続人が「配偶者と子ども2人(計3名)」、相続財産が「1.6億円」の場合の簡略比較です。

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*基礎控除額4800万円を差し引いたもの*

<①すべて相続人が取得した場合>
課税対象となる遺産額:1億1,200万円
→相続人全員の相続税総額:1,720万円

<②半分(8,000万円)を宗教法人へ遺贈>
課税対象となる遺産額:3,200万円
→相続人全員の相続税総額:350万円 
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このように、宗教法人に遺贈することで相続税の総額は大幅に変わります。 ただし、家族に残る財産のバランスをはじめとした問題が絡んでくるため、「いくら遺贈するのが最適か」については、必ず事前に専門家へご相談いただくことをおすすめします。

次回【その3】以降では、さらに「譲渡所得税」や「非課税特例」の注意点について解説してまいります。

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